蜜柑の木、息子が小学校の頃に「絶対育てるから買って良い?」って聞いてきて、当然育てるなんて事も無く20年。
ずっと玄関先の花壇に植わったまま、ところが愛犬の「うみ(パピヨン)」が5年ほど前に亡くなって、火葬後に花壇の隅に埋葬し記念碑を建てたんだけど、その時はもう夏だったけど翌年春に20年以上丈こそ伸びた物の何もなかった蜜柑の木に花が咲いて、冬には十数個の実を付けました。
それから約5年過ぎ、今年は80~100程度の実が付いています。
・・・後は甘くなれば良いのだけど・・・
うみはあるブリーダーの家に生またけど、生まれつき異常に体が小さくて里子に出されたパピヨンを家で引き取り、空港まで迎えに行った時はケージの中でブルブルと震えていた子だったけど、約16年と長きに渡り私達家族の癒しとして生きてくれました。
うみの譲渡元の方を見つけ、交渉をして家に向かい入れた私は、うみが家に来てから年に数度は「この子はこのうちに来て幸せだったのだろうか?」とずっと思っていいたけど、残念ながら本人にその心の内を聞く事ができず、「どう?」って聞いても、おやつを手に持っていない時はいつも知らん顔、修行が足らないせいか、最後まで答えを聞くことはできませんでした。
歳を取り散歩にも出かけられなくなって、食事さえ少し食べたり食べなかったりを繰り返していたある日、うみが私の夢に出てきて足元をグルグルと走り回っていました。翌朝から気持ちがざわついたので、その日は仕事(自宅が職場です)をしながらうみの様子を見たりしていたのだけど、晩なり外出中だった娘に電話で「今日少しでも早く帰って来て、うみの写真を撮ってくれない?」と頼みました。
ここ数日寝たきりだったうみが、家族皆がそろって「うみ!写真撮るよ」って声を掛けると、辛そうな面持ちで、ゆっくりと身を起こしてくれたので、娘に写真を撮ってもらいました。
そしてその数時間後、夜明け前にどうしてもそわそわしたのでうみのそばに行くと、ゆっくりと呼吸していたうみはその数分後動かなくなり、私の傍らで静かに息をひきとりました。
16年ほど前に私が迎え、今私が見送った瞬間でした。
それから20年以上花の一つも咲かなかった蜜柑は突然実のり、毎年少しずつ大きく数多い実をつけるようになりました。
今は遠方に住んでいるこの木の持ち主である息子「突然どうしたのかねぇ~?」との言葉に、だから「うみの恩返しじゃない?」と伝えました。。。


